プロフィール
名古屋工業大学工学部応用化学科卒業、早稲田大学大学院商学研究科修了。
経営学修士(MBA)。
豊田通商株式会社入社後、有機材料の技術者としてトヨタ自動車株式会社及びトヨタのASEAN統括会社であるToyota Motor Asia Pacific Engineering and Manufacturing Co., Ltd.の材料技術部に出向。ASEAN・インド地域におけるサプライヤーの工程監査及び現地材料の評価を通し、トヨタ自動車のコスト低減に貢献。トヨタグローバルでの原価低減優秀賞をチーム(主担当)として受賞。豊田通商株式会社では、新規事業の設立、新規顧客の開拓、海外取引に従事。
2017年10月、ユニバーサル マテリアルズ インキュベーター株式会社に入社し、ハンズオン経営担当者としてつばめBHB株式会社の会社経営を支援。
2020年9月末にユニバーサル マテリアルズ インキュベーター株式会社を退職、つばめBHB株式会社に転籍。
2022年1月、同社取締役に就任。
2023年6月、同社代表取締役CEOに就任。
<私とつばめBHBとの出会い>
私とつばめBHBとの出会いは2017年10月に遡ります。VCのハンズオン担当者として会社経営を支援したのがきっかけです。当時のつばめBHBは創業後半年余りの10名程度の会社であり、ベンチプラントも出来ていないような状況の中、経営企画や事業開発などの業務担当として会社運営に必要なあらゆる活動を支援しておりました。
2019年10月に川崎市にパイロットプラントを建設したことで、ようやく事業が加速した感触がありました。2020年6月には最初のプロパーであるエンジニアを採用し、本格的に組織を拡大させる時期に入ります。同時期に私もつばめBHBに転籍し、2024年11月現在は代表取締役CEOとして会社運営をリードするに至ります。
<ベンチャー経営において特に重要だと思うこと>
ベンチャーの肝は人だと考えています。これは、技術やビジネスモデルが如何に良くとも、人がかみ合わないと失敗するだろうと考えているからです。一方で、良い人材が入ると会社の雰囲気は格段に良くなり、リファラル採用などにも好循環が生まれやすくなります。
<人材採用におけるポイント>
大企業などからベンチャーへ転職を希望される優秀な人材は、採用担当者や、面接官、会社のマネジメント層に対し、この人達についていけるのかという点を見ているのだと思います。ベンチャーのリーダーには、優秀な人材をたくさん集め、彼らを同じ方向に向かせるマネジメントが求められると思います。ただ、VCから派遣された私のような人間は最終的には投資会社に戻るという見られ方をされることから良い人材を引っ張ることはできません。2020年以降採用活動を本格化させるに際し、自らもつばめBHBに参画して本気で採用活動を行うようになりました。
<ベンチャー企業経営のやりがい・ベンチャー企業のマネジメント層への期待>
ここまで頑張れた要因は、色々とありますがやはりつばめBHBが好きだというのがあるのだと思います。ベンチャー経営は非常に大変で苦しい場面がありますが、一方で寝ても覚めても仕事のことばかりを考えている自分がいます。
素材・化学のベンチャーは要素技術だけでは成立しません。当然、生産技術や品質保証も必要になりますし、そのほか、経営、財務、法務、営業、エンジニアリングなどあらゆる専門技術が必要になります。これらを1人の人間がカバーするのは不可能であるため、専門技術を高いレベルで習得・実行できる優秀な人材を幅広く採用し、如何にベクトルを合わせていけるのかというのがベンチャーマネジメントの最も重要な点だと考えています。これは大変で苦労を伴うものですが、私にとって大きなやりがいとなっています。
会社概要
つばめBHBは、東京科学大学(旧東京工業大学)の細野秀雄栄誉教授が開発したエレクトライド触媒を用いて、低温・低圧でのアンモニア合成が可能な製造プラントの社会実装・商用化を目指しています。
科学技術振興機構(JST)の支援の下、事業会社、ベンチャーキャピタル(VC)、東京工業大学 細野教授(当時)により、2017年に設立しました。
必要な場所で必要な量のアンモニア生産が可能なため、既存技による一局集中・大量生産で生じる高額な設備投資、輸送や保管コスト、大量のCO2排出量といった課題を解決できます。
現在、大規模生産向けの新しい触媒開発も行っており工業や肥料用途、燃料・水素キャリア向けにフルレンジでのアンモニア生産技術の提供をグローバルで行い脱炭素社会に貢献します。
ウェブサイト:https://tsubame-bhb.co.jp/